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企業における正社員化の流れと、医療福祉の現場 

昨夜、あるお店で職員と今後の事業計画について話をしていたら、お店のテレビにクローズアップ現代+の『「全員、正社員にします」 脱・非正規のチャンス!?』という特集番組が流れていました。曰く、急激な労働人口の減少と、社会の意識変化により、人材確保と多様な「働き方」形態を担保しつつ、正社員化を進めている企業が多くあるという。

確かに、先日の研修会においても、医療法人が人材採用に使う費用の平均(アンケートに答えた法人のみ)は1,000万円程度であると話されていましたが、友和会の採用状況も日に日に苦しくなる事を実感しています。十数年前のように、ハローワークで求人を出しておけば、応募がある時代ではありませんし、独自の広告や人材紹介会社を利用しなければ、補充さえも難しい状況です。また、採用には地理的条件や企業ブランドも大きく影響し、いずれも不利な場合は、雇用条件や労働環境を改善していかねばなりません。

社会的に好景気が続くことで(実感が無いとかいう政治的なところはさておき)、求人倍率も右肩上がりで上昇していくことは非常に喜ばしい事で、労働人口の不足による正社員化が進むことは世帯収入も増えることになり良いことずくめの筈なのですが、この番組を横目で見ながら

『医療の現場は今後ますます苦しくなるな・・・。』

と、複雑な気持ちになりました。

何故なら、医療業界の収入というものは、診療報酬や介護報酬等によって天井があらかじめ決まっています。そして、高齢化によって徐々に切り下げ傾向にあります。その状況下で周囲の労働環境に合わせていくためには、選択肢は非常に限られたものになっていく事が誰の目にも明らかだからです。

・(統廃合を含め)事業規模の拡大や多角経営に乗り出し、如何に収入源を増やすか
・間接部門を如何に縮小し、少ない人員で業務を兼務して運用していくか
・如何に人件費以外のコストを切り下げていくか

大まかにはどこも同じような方向性なのでしょうが、その手段という意味で医療業界は多くの制約が存在していて、医療福祉以外の業種に参入するという事はなかなか出来ず、入院患者を増やすために病床数を増やすことも出来ません。そうなると、外来機能の強化(患者数増に取り組む)や在宅医療への進出、介護福祉事業への参入という事になるのでしょうが、長らく現状維持でも何とかなってきた医療業界において、何か新しい事をするには、経営者自身の相当なリーダーシップと力が必要となります。

診療報酬の切り下げ等が顕在化してきた現在、現状維持を続ければ収益は悪化し、本当は雇用条件改善どころではないのに、人材確保の競争のために多くの出費が必要になり、人件費が財政をさらに圧迫していくという悪循環に陥ります。

人材を確保するには雇用条件を向上させねばならず、
新規事業をするには人材が必要で、
既存事業は将来の収入減が見えている
事業を拡大していかねば、人件費を確保する事さえできない

この新しい局面にある医療業界を共有し、職員に対しての意識改革を進めていかねばなりませんが、それには経営者の一貫した『判断』と『方向性』があり、管理職がその意識を共有して法人全体の事業に取り組んでいかねば、もはや組織の存続自体が成り立たない時代に突入しているのだと自分は思います。

友和会に身を置いた時から、自分の所属する職員には常々『内輪揉めをしている場合ではないし、噂話ばかりしている場合でもないし、職務をえり好みしている場合じゃない。』と話してきましたが、そういう意識の共有が圧倒的に足りないな、と業界全体を眺めていて感じています。
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